仕事例　- 　新築I邸

6人家族のための2階建て住居。外壁は半分を板張りにし、正面に目隠し格子を取り入れました。
どっしりした建物にやわらかな印象が出るよう、屋根にむくり（丸み）を入れています。私が初めてむくり屋根を目にしたは、身延山にある宝物殿でのこと。わずかにふくらむ曲線に心惹かれ、以来、この伝統的な技法をしばしば住居建築に取り入れるようになりました。

居間の2本の大黒柱も、昔ながらの仕上げ方。片方は木肌をすっきり見せるカンナ仕上げ、もう片方はデコボコとしたちょうな仕上げにして変化をつけました。エンジュという落葉樹を用いています。そのほか、家の中にはマツ、ヒノキ、スギ、カエデといった山梨県産材を使用しており、本物の木の香りが漂います。「家に帰るといいにおい！」と子どもたちが喜んでくれるそうです。

階段には、耳付きのヒノキの材を使用。余計は塗装はしていないので、裸足になって木肌の質感を感じるのが最高です。
２階には子ども部屋を含む４部屋があり、木組みの天井をダイナミックに見せています。壁紙の色で雰囲気を変えるのも楽しいものです。サクラの床板は、冬場に乾いて動いたりすることがないよう、きっちりと隙間なく敷き詰めました。遊び心で天井付近にねずみのキャラクターのデザインを組み入れた場所もあります。